昨日の「どこコレ?」のトピックは2つ。
ひとつは第2回展示から継続展示していた昭和10年頃撮影の土樋(と思われる)写真の場所がついに確定したこと!
「どこコレ?」を愉しむための五ヶ条、「日影を読む」「看板を見る」「地図と合わせる」「付箋に書く」「先輩の話をよく聞く」の全てを出しきって確定した写真。会場の皆さんから拍手で確定の承認いただきました。これもこれまでたくさんの情報を寄せていただいた皆様のおかげです。ありがとうございました。
そして、ふたつめがアーカイブに興味があるという東京の女子高生が一日「どこコレ?」を手伝ってくれたこと。「アーカイブの面白さを全国に広げる」と、トークイベントを締めた最後の挨拶。会場からも盛大な拍手が送られるほど立派でした。
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写真が写された年や場所などの正しいキャプションを求めるのは「どこコレ?」の重要な役割なのですが、写真から導き出された個人的な記憶が文字化されるのも「どこコレ?」のもうひとつの役割です。一見、写真とは関係のないようなコメントも、何らかしらの理由があって書かれたはずだからです。
“正しい記録”と“曖昧な記憶”(または正史と俗史と言い変えても良いのかもしれませんが)、「どこコレ?」は、場所や年代という事実が並ぶ無味無臭の記録の上に、記憶という匂いや味を付けていく作業なのだと思っています。
これは地域アーカイブに限らず、震災アーカイブについても当てはまることで、特にに昨日のような大勢の人たちが集い、語り学ぶ場、世代をこえて交流する場は、アーカイブの利活用には必須であることは間違いありません。
土樋の写真の場所を確定するために、昨年チームを組んで現地リサーチをし、6年間「どこコレ?」を愉しむための五ヶ条をフル回転させて50枚近い付箋・資料が貼られ、その結果を昨日約80人の来場者に見ていただき、東京から来た女子高生がそれに興味を持った、ということが、それを裏付けているのではないでしょうか。
付箋に書き込んでいただいた方を含め、たった一枚の写真におよそ数百人(付箋を読んだ人を含めれば数千人?)が関わったことになるわけですから、アーカイブの利活用として、例の土樋の写真は貴重な例を作ったと思っています。
メディアテーク1Fで開催される「どこコレ?」第1期は5月5日まで。第2期は7Fに会場を移して6月30日まで開催です。
引き続きお楽しみください。