風の時編集部 【仙台の原風景を観る、知る。】

“仙台の原風景を観る知る”をテーマに、2005年「風の時編集部」を設立。100年前の古地図『仙台地図さんぽ』や仙台城下絵図『仙台まち歩きシリーズ』、昭和時代の写真集『仙台クロニクル』等を企画。2023年現在42作を発行 ●風の時編集部 代表 佐藤正実 ●Eメール:info@sendai-city.net ●TEL:022-295-9568 ●〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 A610 ●楽天市場ショップ→http://rakuten.co.jp/kazenotoki/

[]TBCで放送される貴重な「1956(昭和31)年の仙台七夕まつり」8ミリフィルム。

今日の東北放送夕方ニュース枠で放送される
「昭和31年の仙台七夕まつりの8ミリフィルム。
仙台歴史民俗資料館で先月行われた「ホームムービーの日」
で8ミリフィルムを募集したところ、(イベント後に)市内に住む武田さん
から提供を受けたもの。この時代のカラーフィルムは大変めずらしく、
貴重な映像。この52年前の1956(昭和31)年の七夕まつりについて、
ちょっと補足コメントを。


昭和31年の仙台七夕まつり風景

昭和31年の仙台七夕まつり。実はこの年の七夕はいろいろな
出来事があった。まず、NHKが初めて七夕まつりを全国中継したこと。
8ミリフィルムの中にカメラクルーが映っているのが見える。
それから、放浪の天才画家山下清河北新報の招きによって
七夕を見学
したこと。仙台七夕を見て“元帥級の七夕”と評した山下清
あまりの美しさになかなか筆が進まなかったのか約5時間かけて
七夕まつりをスケッチ。8月8日の河北新報にその絵が大きく掲載
されている。(ちなみにその絵は、今年3月藤崎で行われた
山下清展」で販売されていた作品集P87にも収録されている)

そして、ビニール製の七夕飾りが飾られていること。
昭和29年に雨対策として紙ではなくビニールで作られた
飾り付けが登場。昭和29年8月6日の新聞には“オールビニールの
ニュールック”
と報じている。

その後、昭和32年になると“バタ臭いビニールは影をひそめ
全体に落ち着いた感じ。日本紙の淡泊な色彩が復活したようだ”

と当時の新聞は伝える。…と、いうことはその前年(昭和31年)の
飾り付けがもっともビニール製の飾りが多かった年ではないかと
推測することができる。青空のもとビニールの吹き流しがきらきら
光る様は、フィルムでも確認できる。

仙台七夕まつりは“和紙”と“手作り”が基本。飾りを楽しみながら
歩くと、和紙の吹き流しが頬に触れる…やはり仙台伝統の七夕
まつりはそれが一番似合うのだと思う。





昭和31年の仙台七夕まつりを映した貴重なカラー写真
(上記写真5点ともすべて有限会社クリップクラブ所蔵)

今日、2008年11月22日付けの河北朝刊にも
「52年前のカラー映像発見」と、掲載。
こういう動きがどんどん拡がるといいですね!