「食から想起する3.11」というテーマを扱いつつ、写真の持つ当事者性と他者性、記憶の連鎖という分かりにくい手法を用いた「はじまりのごはん」を、番組内で上手に表現してくださった。加えて、震災後何も食べられなかったという方々への配慮も必要な一方、遠慮して語らないではますます風化してしまう・・・そのバランスもとっていただいたように思う。写真に貼られた付箋のメッセージをナレーション入りで紹介されたシーンには涙を込みあげつつ、宇宙食や神戸の高校と交流を深める多賀城高校生の話題など、盛りだくさんな内容ー。少し欲を言えば、写真提供者の小地沢さん、寛法さん、高晴さん、柳谷さん、笹崎さん、天江さん、福地さんの話をもっと聞いて写真を味わいたかったけれど・・・(^_-) オモイデツアーWSでコメントいただいた小野円さん、安藤さん、伊藤さん、ありがとうございました。（ちなみに来年3月12日メディアテーク1Fで公開サロン開催予定）
東日本大震災から5年という節目を迎える来春3月。
かつての例からすると、いかに「風化をさせない」と抗おうとも発災10年目までは“震災への関心の低下”に悩まされる5年間になる。次世代を巻込みながら、いかに語る場を作り続けることができるか、震災アーカイブに取り組む各自治体の知恵と本気度が試されるフェーズに突入する2016年になる。
