本書では、おおよその年代特定が可能な写真(絵葉書)を
精選し、年代順に掲載しました。
仙台伝統文化のひとつである七夕まつりをより知っていただくため、
七夕まつりの主な歴史と仙台固有の「七つ飾り」の意義、
それに「七夕飾りの作り方」を加え手引書としました。
仙台市内に約1万人住んでいる外国人の方にも理解を
深めていただくために英訳文も併記しています。
また、参考資料として、戦後における「七夕年表」と、
享保・明治・大正・昭和それぞれの「仙台中心部拡大図」を加え、
時代ごとの街の変化を示すことにしました。
“仙台七夕まつり”は、全国から200万人を超す観光客を集める、
東北夏祭りの主要行事のひとつです。
しかし、私たちの誇るべきことは“規模”や“観光客数”ではなく、
藩政期から続けられているという、この“事実”なのではないでしょうか。
400余年も続く伝統のまつり“七夕さん”。
脈々と受け継がれてきたまつりの真の意味を理解することは、
仙台という街を知るひとつの手がかりとなることでしょう。
本書を刊行するにあたり、関係機関をはじめ多くの方々から
貴重な資料提供と数々のご教示をいただきました。
心から御礼を申し上げます。とりわけ近江恵美子先生からは、
膨大な資料をふまえた玉稿を頂戴しました。
深甚なる敬意と謝意を捧げます。
五色の短冊や吹き流しが涼風を誘う。
仙台は間もなく“七夕まつり”のときを迎えます。
多くの方々に本書を広くご愛用いただき、“仙台七夕まつり”への
理解を深められるとともに、「七夕まつりガイドブック」として
お手元に置いていただければ幸いです。
「風の時」編集部 佐藤正実
(「仙台七夕まつり 七夕七彩」あとがきより抜粋・一部リライト)