おそらくほとんどの方は知らないと思いますが、
「スマッシュ」とは、今から29年前の1979(昭和54)年
8月に創刊された漫画商業誌です。
杜の都仙台のコミック誌「スマッシュ」と題される
この本は、私の親戚も漫画を執筆したということで、
当時もらったことを憶えています。
その後何号まで続いたのかは知りませんが、
オークションに創刊号と2号が出品されていたので、
今回改めて購入して読んでみました。
約30年前の地方の漫画雑誌は、確かにストーリーも
荒削りで、絵の上手い下手のばらつきもあります。
でも、自分たちで新しい何かをはじめよう!という
強い意欲が伝わる雑誌であったことが分かりました。
創刊号の編集後記に大きくうなずく文面を見つけた。
“果たして、この漫画本は商業誌として成り立つのか、もし
失敗したらどうしようか、なんて考えたらマンズ出来ないのよ。
(中略)近年、地方の時代と叫ばれるようになったが、
その言葉は大変意味深なのであります。
その意味を僕達若者が真剣に考える時が来たのだと
解釈すべきでしょう。(新出)”
“仙台に於ける商業誌を出す、これは難問なのです。
一説によれば、宮城県は左様な文化的活動の最も
後進県なのだそうで、それではまるで仙台という都市が
あたかも映画のセットの如く外装のみ、の存在でしか
ない大都市と云っている様ではありませんか。
果たして真実そうであるのか、地方の時代といわれている
今日仙台だけがこの様な汚名の下に甘んじていて
良いはずはない…。(早坂)”
この漫画本がそのような気持ちで作られていたことを
30年経ってはじめて知りました。
ジャンルは異なりますが、私も全くの同意見。
これは、2005(平成17)年に創刊した
フリーペーパー「風の時」の基本的なコンセプトです。