詩で紡ぐ3.11。
街の名前が残って
わたしたち考えて
子供たち未来に向かって
ひび割れた道は微笑んで
ただここにいて
それだけ伝えて
守って 守られて
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ガソリンが消えた街に
夕暮れがかさなっていく
なにか
なにかがちがう
心の欠片 集めて
わたしを繰り返している
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形あるものとないものの間がぼんやりしてしまう
あの日と今日はちがうのに
おなじ青色に包まれる
心からはみだしてしまうもの
それはなんだろう
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なんて言えばいいのかわからなくて
どこかへ消えてしまいたくなる
こんなに小さかったんだ
こんなに弱かったんだ
なにもできない
その想いを大切にできるなら
小さく笑って すこし休んで
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写真のむこうに広がる想い
想いのむこうに広がる空
悲しいのは愛していたから
この痛みの中でつづけていく
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水面にはねる光
傷をやさしく確かめていく
計算できたのは数字にできたもの
大切なものは数えられない
一人一人が木のように揺れて立っている
空にむかって
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たくさんあるのに静寂
なにがたりないのか わからないまま
街に並んでいる
ポケットには声にならないフレーズ
たくさんの線がつながって こんがらがって
次の言葉を複雑にしてしまう
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答えのないこと
答えられないことに
やさしさで立ち向かうことができるなら
ぼくは詩を書きたい
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「ことば屋」で、写真と言葉を紡ぐ創作をしている
詩人の武田こうじさん。これらの詩は、武田さんが
3.11震災に寄せて140字内で新たに書き下ろして
くれた詩です。
「3.11」市民が撮った震災記録
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風の時編集部 代表 佐藤正実
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