東日本大震災を「食」から考えてみようという新企画を、せんだいメディアテークわすれン!と協働で開催することになりました。
市民の皆さんからご提供いただいた震災写真の中から「食べ物」に関する写真を約40枚展示し、来場者ご自身の【3.11後、初めて食べたものは?それはいつどこで?】を思い出してもらい付せんに書きだしてもらうというイベントです。
もともと、2012年5月からわすれン!との協働事業として「3.11定点観測写真アーカイブ 公開サロン」を開催してきましたが(全13回)、そこでのやりとりが今回の企画のきっかけになりました。
第9回目(2013年6月1日)の公開サロンにおいて、参加者に「震災の翌日は何を食べましたか?」という問いかけをしたところ、「電気ストーブが使えたので冷蔵庫にあった野菜を煮て食べた」、「インスタントラーメンを50食ほど備蓄していたし、キャンプ用品があったのでしばらく大丈夫だった」、「カロリーメイトを少しずつ食べて過ごした」、「レトルト食品を備蓄していたが水がなかったので苦労した」、という答えが返ってきました。
何を食べたのかも震災の教訓としては大切なことかもしれませんが、それよりも重要なのが「食べ物の話を通してあの時の生活が思い出されること、そして明確に語れること」だということを知りました。
例えば、保存食の話からは、災害時に家族や学校、職場で準備しておいたものは何なのか?が分かりますし、炊き出しの話からは、町内会や商店街の災害時のルーツ・連携が見えてきます。食べ物に付随して現れる記憶、そして生活全般の様子を知ることができるのです。
2011年3月11日の夕食(提供/関口怜子さん)
「3月12日はじまりのごはん」は、10月1日から11月16日までの1ヶ月半というロングイベントですが、後半には「ケータイで撮った3.11はありませんか?」(11月15日〜16日)や、「公開サロン」(11月15日)も同時に開催します。
これは、アーカイブ全般に必要な「収集」、「編集」、「語り場」をまとめて行うという、マチナカにおける“アーカイブ拠点”のプレゼンでもあります。期間中、ぜひ会場にお越しいただきまして、写真をご覧になりながらご自身の記憶を書き出すとともに、様々なアドバイスを賜りたいと思っております。