104年前に「仙台アルバム」を制作した白崎民治(しらさきたみじ)。還暦を迎えた彼が、序文で発刊趣旨を次のように綴っています。
大正4年発行「仙台アルバム」
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「此の景勝史跡及び繁華の実際を紹介するに足るべき完全なるアルバムなきは地方欠點たらずといふべからず。
今上天皇陛下御即位の御大典は、今秋を期して興業あらせ給う。寔にこれ皇室最高の御大礼にして国家の重大典儀たり此の時に當り仙臺アルバムを調査して(中略)聊報恩の微忱を致す所以なりと信ず、大方諸君請ふ之を諒せられんことを。」
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現代語に訳すと次のような意味でしょうか。
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「松島・塩竈の景勝地だけではなく、王朝以来の史跡が多い。それに公共の建築物も私の建築物、会社、銀行の建物も東北の中心地らしく見事なものばかり。しかし、それらの実際を紹介する完全なアルバムがないことが欠点だろう。今上天皇(大正天皇)御即位の儀式が秋に行われる。この写真集の製作は、いささかの恩返しをというのが真の気持ちである。」
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「仙台アルバム」序文
写真所を開業して35年が過ぎ、60歳を迎えた白崎民治。
自分の生涯の記念となる一大事業として、後世に仙台の実景を残し伝えることを明確に意識して企画・編集・出版された写真帳がこの「仙台アルバム」です。
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500部 12,000円(税別)