風の時編集部 【仙台の原風景を観る、知る。】

“仙台の原風景を観る知る”をテーマに、2005年「風の時編集部」を設立。100年前の古地図『仙台地図さんぽ』や仙台城下絵図『仙台まち歩きシリーズ』、昭和時代の写真集『仙台クロニクル』等を企画。2023年現在42作を発行 ●風の時編集部 代表 佐藤正実 ●Eメール:info@sendai-city.net ●TEL:022-295-9568 ●〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 A610 ●楽天市場ショップ→http://rakuten.co.jp/kazenotoki/

仙台の老舗の本屋さん「宝文堂」が廃業…。

宝文堂さんには大変にお世話になりましたし、
宮城・仙台の郷土史を支えてきた重要な役割を担ってきた
書店でしたので、廃業とは、とても残念です…。

インターネット&ネット販売との競争
の結末…と言ってしまえばそれまでですが、
「本を買う」という行為だけじゃない
本屋さんの役割があります。



「今の時代、本が売れなくなったのさ」という意見もあればし、
「売れなくはない。ベストセラー本がその証拠さ」
という人もいます。

インターネットやフリーペーパーが氾濫している現在、
“本”の持つ意味というものも少しずつ変化してきているのかも
しれません。本の販売数という数字を見ただけでは
きっと答えは出せないでしょう。
ベストセラー本の驚異的な売り上げを証拠に
本離れはないということも説得力に欠けているように思います。
なぜなら、ベストセラーは“仕掛けの妙”も手伝う仕業だからです。

新聞やCDというモノを足を運んで買うという行為が、
電子新聞や音楽がPCでダウンロード、というふうに
オンライン化されてきていることの影響も確かに大きいでしょう。

それでも、CDショップや本屋さんでしか味わえない
自分の興味を持つ商品と出会うための“浮遊感”は
モニターを通して味わうそれとは異なります。
(特に中古CDショップや古書店はその傾向が強いかも)
その店内を漂う“浮遊感”というのは、自分のアンテナに
引っかかってくる商品と交信するようなもの…。
もしかすると、「自分の感性で本を買う」という行為が
今は減ってきたのかもしれませんね。

アマゾン、セブンらの通販と一般書店での販売冊数をグラフで
ただ比べて、ネット販売の伸びばかりを強調するような
報道に偏らないで欲しい、と切に願うばかりです。

それにしても、この老舗の書店が仙台に及ぼしてきた
影響力は計り知れないものがあるので、
「嗚呼、廃業ですか、別の書店で買います」などと
悠長に言ってる場合ではないですからね。
仙台の郷土文学や歴史書物を支えて来てくれたわけだから。


その意志を継いでくれるようなお店って
今後出てきてくれるのでしょうか?