3年前のブログに書いたことをもう一度載せてみます。
仙台の老舗書店「宝文堂」さんが廃業をした頃のブログです。
電子出版がいよいよ本格化する今、「本」、「書店」の役割を
自分なりにもう一度整理して考えてみたいと思います。
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仙台の老舗の本屋さん「宝文堂」が廃業…。2007年05月15日(火)
宝文堂さんには大変にお世話になりましたし、
宮城・仙台の郷土史を支えてきた重要な役割を担ってきた
書店でしたので、廃業とは、とても残念です…。
インターネット&ネット販売との競争の結末…
と言ってしまえばそれまでですが、「本を買う」という
行為だけじゃない本屋さんの役割があります。
「今の時代、本が売れなくなったのさ」という意見もあれば、
「売れなくはない。ベストセラー本がその証拠」という人も
います。
インターネットやフリーペーパーが氾濫している現在、
“本”の持つ意味というものも少しずつ変化してきているの
かもしれませんし、本の販売数という数字を見ただけでは
きっと答えは出せないでしょう。
ベストセラー本の驚異的な売り上げを証拠に本離れでは
ないということも説得力に欠けているように思います。
なぜなら、ベストセラーは“仕掛けの妙”も手伝う仕業だからです。
新聞やCDというモノを足を運んで買うという行為が、
電子新聞や音楽がPCでダウンロード、というふうに
オンライン化されてきていることの影響も確かに大きいでしょう。
それでも、CDショップや本屋さんでしか味わえない
自分の興味を持つ商品と出会うための“浮遊感”は
モニターを通して味わうそれとは異なります。
その店内を漂う“浮遊感”というのは、自分のアンテナに
引っかかってくる商品と交信するようなもの…。
もしかすると、「自分の感性で本を買う」という行為が
今は減ってきたのかもしれませんね。
宝文堂さんの一件が、アマゾン&セブンらの通販と一般
書店での販売冊数をグラフでただ比べて、ネット販売の
伸びばかりを強調するような報道に偏らないで欲しい、
と切に願うばかりです。
それにしても、この老舗の書店が仙台に及ぼしてきた
影響力は計り知れないものがあり、「嗚呼、廃業ですか、
別の書店で買います」などと言える状況ではありません。
仙台の郷土文学や歴史書物を支えて来てくれたわけ
ですから。
その意志を継いでくれるようなお店。
今後出てきてくれるのでしょうか?
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「風の時」編集部 代表 佐藤正実
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