古い写真をお持ちではないですか?と写真の話を切り出し
ますと、たいていの方は「うちの写真は資料にならないよ」
とおっしゃいます。
寄贈していただいた個人所有の写真や8ミリフィルムの
9割は、家族写真や子どもの成長記録ですので、その
ように思うのもうなずけます。
ところが、その個人記録だからこそ貴重な資料となる
ことが多いのも事実なのです。運動会、遊園地、海水浴、
近所の散歩など、撮影したご本人は「資料」として撮影して
いるのではなく、家族の「記録」として撮っているはずですが
その何気なく映した当時の様子の中に、資料的価値を
持つ写真も含まれています。
昭和39年秋榴岡小運動会
運動会のお昼ご飯
(写真提供:佐藤昭八郎さん 所蔵:20世紀アーカイブ仙台)
これは昭和39年当時の榴岡小学校の運動会の様子です。
木造校舎に万国旗、低学年の児童がスタートを切る瞬間
と家族でお弁当を食べているところです。
今は共働きの家庭が多くなりお昼を一緒に食べられない
児童に配慮し、小学校の運動会でお昼ご飯を食べることは
ほとんどなくなりました。また、子どもに順位を付けるのは
いかがなものかという理由で徒競走に1着、2着という順位
はなく、危険な競技ということで騎馬戦も行いません。
寄贈していただいたネガフィルムをスキャニングして
いますと、個人所有の写真が地域アーカイブの資料
としておおいに役立つ可能性を秘めている、と最近特に
感じています。
それはどれだけ貴重なのか。
市民が映した昭和30〜50年頃の仙台のDVD(8ミリフィルム)
+写真をパッケージした「クラシカル センダイ」を
4月に発売しますので、そちらをご覧ください。きっと
なるほど、と思っていただけることでしょう。
企画:NPO20世紀アーカイブ仙台
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風の時編集部 代表 佐藤正実
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