あとがきに書こうかどうか迷ったんですけど(結局書かなかった)、皆さんからご提供いただいた写真のセレクトを終え、ラフカンプができた時に気づいたことがあります。
それは、「人間が太刀打ちできない自然の脅威と、人間の弱さ」じゃなくて、それとは真逆の「ちゃんと優しさを用意してくれている自然の深い懐と、自然と対峙する人間の強さ」です。
自然を畏れ、その中でこそ生きる術を学ぶ人間の記憶が、これらの写真に表れているんじゃないかと。きっと、古の時代から組み込まれてきた知恵なんでしょうね。
ひと通りご覧になったら、そんな視点でもう一度1ページ目からめくってみてください。何気なく震災の中の生活を撮った写真が、そんなことを教えてくれているように感じました。