風の時編集部 【仙台の原風景を観る、知る。】

“仙台の原風景を観る知る”をテーマに、2005年「風の時編集部」を設立。100年前の古地図『仙台地図さんぽ』や仙台城下絵図『仙台まち歩きシリーズ』、昭和時代の写真集『仙台クロニクル』等を企画。2023年現在42作を発行 ●風の時編集部 代表 佐藤正実 ●Eメール:info@sendai-city.net ●TEL:022-295-9568 ●〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 A610 ●楽天市場ショップ→http://rakuten.co.jp/kazenotoki/

なんにせよ、街なかに拠点が必要だ

【震災アーカイブ関連】
新年度、仙台市と協働で取り組む「震災メモリアル・プロジェクト」。
昨日サポセン発表会でも申し上げたとおり、まず、撮る、聞く、語る、まとめる、知らせる、観せるための 「拠点作り」が必要です。事業を進めるにあたり、スタッフが常駐できる拠点を作ることが先決です。
その拠点施設は、スタッフだけに限らず多くの市民が自由に出入りして、3.11写真を見たり、聞いたり、語ったり。また、3.11定点観測活動のチームをつくってともに活動できるような拠点にしたいのです。人間の記憶は風化するものです。でも、2万人の命を奪った3.11はどうしても風化させたくない。
拠点ができたら、まずオーラル・ヒストリー(震災体験のヒアリング)に取り組みます。「3.11キヲクのキロク」で54名の方々にお話を伺いましたが、100万市民の3.11というテーマでその作業を続行させます。「3.11キヲク〜」で協力していただいた片岡さんにも取材のご協力を仰ぎながら。
「3.11定点観測」については、学生時代の部活動のような仕組みにしたいと思っています。一泊二日などで旅館に泊まって撮影するというものいいかもしれません。個人で撮り続けるのはやはり精神的にも体力的にも無理があるため、部員を募集して気軽に撮影する、そんな感じで長く活動したいです。

【地域アーカイブ関連】
地域アーカイブの方では、昨年開設した「センダイ座」をもう一度やりたいです。これも拠点ということになりますが、私は「震災アーカイブ」と「地域アーカイブ」は別物とは思えないところが多々あります。地域の歴史の中に震災が内包されると思っているからです。拠点を分けてそれぞれに活用するというのが、ベストかもしれません。

加えて「どこコレ?」第二弾を今夏あたり開催する予定です。今度も展示期間が長くなりそうなので、私たちだけではなく、もしかしたらこれも「どこコレ?」部員を募集するかもしれません。部員の方々には展示会場につめてもらうことだけではなく、現在を撮る定点観測やマッピングなどのワークショップ・フィールドワークをやってもらいつつ、「どこコレ?」本(またはアプリ)の制作にまで関わってもらう企画です。

それと最後にもうひとつ。「風の時」を復刊させたいと思っています。ただ、2005〜2008年に作ったものを継続してということではありません。「仙台の原風景を観る、知る。」というコンセプトはそのまま、今度は「部員」の皆さんと一緒に作りたいと思っています。大きく様変わりする仙台の過去と今を丁寧に拾い上げて紙面に残すというプロジェクト。これも始動させたいと思っています。

【古地図復刻・アプリ関連】
「仙台地図さんぽ」アプリに、当時撮られた写真と解説を組み合わせる仕様にすることで、ひとり歩きをより楽しめる仕様にします。
古地図新企画としては、延び延びになり助成対象期間から外れてしまった「大正時代の古地図復刻版」を、来月から再び制作に取りかかります。これを活用した新企画にも応用します。
また、齊藤報恩館所有の詳細古地図「五厘掛図」の復刻版も作ります。できれば2009年に製作した本「仙台地図さんぽ」のように、新旧地図帳のような仕様までもっていこうと思います。(アプリ化まで)
それと、もうひとつ。センダイ座をもう一度実施したいと思っています。仙台に関連した歴史講座や踊りの披露、レコード鑑賞など、センダイ座で開催した数々のプログラムはやるべきですね。中でも一番人気だった「仙台地図さんぽアプリ」を使った街歩きツアー。センダイ座開設中に昨年2度開催しましたが、参加者が多すぎてお断りした経緯がありました。こうやってみると、街なかに拠点は絶対に必要ですね。