風の時編集部 【仙台の原風景を観る、知る。】

“仙台の原風景を観る知る”をテーマに、2005年「風の時編集部」を設立。100年前の古地図『仙台地図さんぽ』や仙台城下絵図『仙台まち歩きシリーズ』、昭和時代の写真集『仙台クロニクル』等を企画。2023年現在42作を発行 ●風の時編集部 代表 佐藤正実 ●Eメール:info@sendai-city.net ●TEL:022-295-9568 ●〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 A610 ●楽天市場ショップ→http://rakuten.co.jp/kazenotoki/

「仙台まちあるき」シリーズ発刊にあたり

伊達政宗生誕450年記念 
「仙台まちあるき」シリーズ発刊にあたり

 東日本大震災後、自分が住んでいる土地が、かつて、どんな土地で何に使われていたのか調べたいという問い合わせが相次ぎました。三陸沿岸部の津波被災エリアに加え、関東地方でも千葉県などが大規模な液状化災害に遭い、自宅の地盤や土地の歴史を調べたい人が増えたのは記憶に新しいところです。

 本来、「地名」は土地の素性と関係が深いものです。しかし戦後、水田や丘陵地帯の宅地化、道路整備などにより景観の変化が進み、その土地の来歴や地質などが分かりにくくなるなかで、それらを知る手がかりでもあった従来の地名が市町村合併や新たな地区名の採用などにより変更され、一層分かりにくくなっていることもまた事実でしょう。例えば、古地図を見てみると、液状化現象の起きた地域はかつて水田や畑、沼地であった、ということもよく耳にします。
 
 NHKの人気番組が古地図人気に拍車をかけ、これまで一部の地図愛好家や研究者らにしか興味を持たれてこなかった古地図を、「愉しむ」という人々が急増しました。地名や地形、旧街道、まちの成り立ちを読み解く面白さに加え、古地図そのものが、昔の情報が詰まった一級の地域資料であるという認識が拡がったようです。
 まちの痕跡をたどることで、時の為政者の発想や住民らの生活、息づかいなどに近づくことができる。これが、古地図でまち歩きをする時の大きな魅力でもあります。

 「仙台まちあるき」シリーズは、2017年に伊達政宗生誕450年を迎えるにあたり、仙台城下を歩いて愉しめる古絵図・地図を復刻する企画です。その第一弾として、「奥州仙台城絵図1645(正保2年)」を発刊します。その後も定期的に貴重な絵図・地図を発行することで、仙台の地形・地名、旧街道など、歴史の面白さを気軽に触れられるよう復刻版を発刊してまいります。古地図ファンだけではなく、小中学校の郷土教育の一環とした「まち探検」などにも活用していただければ幸いです。

現存最古の仙台城下絵図「奥州仙台城絵図1645(正保2年)」


監修/仙台市博物館  
企画・製作・発行/有限会社イーピー 風の時編集部