最大震度7という未曾有の大震災を経験した、東日本と熊本。
東日本大震災の死者・行方不明者が約1万9千人であるのに対して熊本は約50人。建築物の全壊・半壊は約40万戸に対して熊本では約4万戸。この数字だけを見れば、東日本大震災と熊本地震の被災規模の違いは歴然としてあることは事実です。しかし、このふたつの地震の「比較」ばかりが強調され、災害の中の市民生活について語られる機会はかなり少なく感じています。
本震の激震、そして頻繁に起きる余震、またあの地震が来るかもしれない!と恐怖を感じつつ井蛙k津を続けることは、決して比べられるものではありません。
1995年阪神淡路大震災、2004年新潟県中越地震、2011年東日本大震災、2016年熊本地震。そのどれもが、地震発生のメカニズムも被害規模も異なります。「比較」することで生まれる各震災の特有さは、時に、その地方でしか起きえない自然災害のようにも受け取られてしまう誤解を孕んでしまいます。
震災の中の市民生活にスポットを当て、「比較」ではなく、むしろふたつの震災の「共通性」を見いだすことで、日本のどこででも起こりうる自然災害であることを意識してもらう展示としました。
3.11オモイデアーカイブ
熊本震災アーカイブ