昭和30年代の仙台駅の乗客案内人として
働いていた国鉄マンに、早矢仕武夫(はやしたけお)さん
という方がいらっしゃったのだそうです。
メガホン片手に声をからして一日中ホームを
動き回っていたそうで、当時、通勤通学で仙台駅を
利用していた人なら必ず知っているほどの“名物男”
だったらしいのです。
名物男ゆえ、その喋り方や振る舞いを真似する
乗客もいたそうで…。
仙台駅の大時計(昭和30年代) 撮影:阿部幹夫氏
ある方から、マクセルの46分音楽テープを
お借りしました。その中には早矢仕さんの喋り方を
真似た寸劇模様が吹き込まれておりました。
(昭和61年に新年会で披露されたものらしいです。)
テープのインデックスには
「その姿は誰からも親しまれ、当時仙台駅を利用していた
人にはたまらない懐かしさがこみ上げてくるだろう」と、
記されていました。
記憶に残る写真による風景、そして音の風景。
各個人の記憶は思い出としていつまでも鮮明に残るのでしょうが、
ぼんやりと薄れつつある記憶をなんらかのカタチに残す作業は、
街の公共財をカタチにするのと
同意語なんだと、改めて感じました。
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風の時編集部 代表 佐藤正実
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