風の時編集部 【仙台の原風景を観る、知る。】

“仙台の原風景を観る知る”をテーマに、2005年「風の時編集部」を設立。100年前の古地図『仙台地図さんぽ』や仙台城下絵図『仙台まち歩きシリーズ』、昭和時代の写真集『仙台クロニクル』等を企画。2023年現在42作を発行 ●風の時編集部 代表 佐藤正実 ●Eメール:info@sendai-city.net ●TEL:022-295-9568 ●〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 A610 ●楽天市場ショップ→http://rakuten.co.jp/kazenotoki/

第5回「伝える学校」レポート

1月19日、日曜日にも関わらず、「伝える学校」には約70名の方にお越しいただきました、ありがとうございました。




神戸から高森さん、新潟から山�アさんをお招きし“震災を伝える”ことの意味や手法について実例をご紹介いただきました。お二人の講師のお話に共通していたのが「伝えるにはモノではなくヒトであること」、「語り続ける場を持つこと」。高森さん、山�アさんから実に多くのメッセージをいただきました。個人的に引っかかった10のキーワード。

1.「伝えたい想いがあるものが残されるものである。」
2.「物だけでは伝わらないモノがある。物+人+物語=伝わる想い。」
3.「施設や展示品だけではなく、人と想いをサポートする。施設は舞台、主役は人。」
4.「モノにまつわる背景や想いも残す。」
5.「震災を知らない人も、それまでアーカイブされたものを頼りに生み出すことができる。」
6.「保存活用には長期的視野が必要。」
7.「官と民のアーカイブに住み分けの必要はない。特色は活動を通じて形成される。」
8.「まちの変化を見る定点観測だけではなく心の定点観測も。」
9.「震災直後の記録だけが貴重な資料ではなく経年変化も記す工夫を。」
10.「震災アーカイブに定義も終止符もない。」





これらのキーワードを書き出して気付くのが、このままそっくり地域アーカイブにもあてはまるということ。プロのアーキビストとは異なるフィールドでのアーカイブ。3.11をアーカイブする肝もそこにあると感じました。まだまだやることがありそうです。

また、20世紀アーカイブ仙台の若手スタッフ(松本、佐藤、松浦)3名が「伝える」をテーマに作った数分間の映像を上映いたしました。私も当日初めて観たのですが、いかがでしたでしょうか。





カメラを持った女の子の成長で時間経過を表しながら定点写真を組み合わせた佐藤君、古時計のねじを回す子どもの手にかぶさるお年寄りの手で繋ぎを表した松浦君、震災後の想いを映像とともに自分の言葉で記した松本君。被災シーンをジオラマで表現した「あまちゃん」のように、3作品とも優しい眼差しで「伝える」を伝える作品だったように思います。



イベントの締めは在仙バンド「自由」リーダー&ボーカリストの仲野谷仁さんのミニライブ。披露していただいのは「今だからこそ」「いのち」「ねがい」の3曲でした。仲野谷さんには一昨年末、せんだいメディアテークで行った「みつづけるあの日からの風景」公開サロンでも演奏していただいたのですが、震災復興や希望、絆を声高らかに歌う楽曲が多い中、震災体験者だからこその寄り添う言葉と琴線に触れるメロディが本当に素敵です。
前回の「伝える学校」ゲスト、詩人の和合さんの時も感じたことですが、写真や文字では成立しない言葉の持つ力と生声の迫力に心が揺さぶられました。仲野谷さん、ありがとうございました。

(2014年1月20日河北新報


NPO法人20世紀アーカイブ仙台
公式Web:http://www.20thcas.or.jp/
3.11市民が撮った震災記録Web:http://www.sendai-city.org/311.htm/
3.11キヲクのキロク、そしてイマ。Web:http://www.20thcas.org/

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