家族の写真アルバムは、そのまちに住んでいたというひとつの証でもある。
「どこコレ?」展示会場での来場者のやりとりを目の当たりにしていると、思い出の象徴ともいえる写真そのものを収集・保存していく必要性は、きっとそこにある、と確信する。体験者がそこに生きて、暮らしたという記憶を残していこうという発想において、「どこコレ?」は“記憶を閉じ込める”ミュージアムの現場そのものである。
人やまちの記憶データが蓄積されていく“記憶を閉じ込める”ミュージアムには、震災前の美しいふるさとの風景が多くの人々の知見によって、思い出が幾重にも重なって再現されことも期待できる。もしかしたら、今まで日本にはなかった新しいタイプの「震災アーカイブ・ミュージアム」の可能性が、そこにはあるのかもしれない。