語り部ゲストは、当時、保健師として避難所対応されたお二人。震度6強という激震に遭いながら、市民生活のケアとサポートに奮闘した当時の様子を伺い知ることができた。
発災後、時間の経過によって刻々と変わっていく市民からの要望に、職員の立場としてどう対応したのかー。もともと業務担当制に疑問を感じ災害時の対応を共有していたことや、避難所では土足禁止を徹底すべき理由、阪神淡路大震災の経験から避難所ではマスコミと研究者の対応に注意を払ったなど、今後、他都市で災害が起きた時に、実践で生きるマニュアルになると感じた。
クローズな場だからこそ言える話なのかもしれないが、アーカイブには権利問題や立場、職務上、今すぐ公開できない写真、映像、体験談などの素材を○年後に公開するというタイムマシン的手法もある。「ここだけの話」のヒアリングを進めながら、○年後に公開、あるいは定年を迎える時に順次公開し、東日本大震災を現場で体験した職員の知恵・知識を共有する機会ができればと願う。